2.2.方略(strategy)

 初期状態から目標状態にたどりつく手順を探索するにはさまざまな方略があり得る。たとえば探索の順序としては、初期状態から目標状態の方向へ探る順行探索と、目標状態からそこに到達する手順を逆に探っていく逆行探索が考えられる。

 方略は、手続き(procedure)の性質からみると、アルゴリズム(algorithm)とヒューリスティックス(発見学)(heuristics)の2つに分類することができる。アルゴリズムは、正しく適用すれば必ず正しい結果が得られる一連の手続きのことをいう。一方、ヒューリスティックス(発見学)はしばしば経験から導かれるものであり、必ずしも正しい結果に至ることは保証されていないが、適用が簡単な手続きを指す。

 また、適用できる問題からみると、方略には広くさまざまな問題に適用可能なものと、ある特定の問題だけに有効なものとがある。一般的に、前者は適用範囲が広いかわりにあまり強力ではなく、後者はその逆の性質をもっている。しらみつぶし方略は前者に該当するといえよう。アルゴリズムとヒューリスティックスのどちらにも適用範囲の広いものと狭いものがあり得る。